尿失禁とは
排尿機能は、尿を膀胱にため、膀胱に尿が十分たまってから尿意を感じ、トイレで勢いよく排尿して、尿を膀胱内に残さないという一連の流れがスムーズに行えることで正常とみなされます。こうしたメカニズムに問題が生じて、意思と関係なく尿が漏れてしまう状態が尿失禁です。外出や旅行が楽しめなくなる、仕事などに支障をおよぼすなど、生活の質、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)を大きく損ないます。尿失禁は多くの方に起こる症状であり、適切な治療で解消が望めますので、恥ずかしがらずに一度ご相談ください。
尿失禁の種類
腹圧性尿失禁
咳・くしゃみ、大笑い、走る、ジャンプ、階段の上り下りなど、お腹に力がかかった(腹圧がかかった)時に尿漏れが起こります。尿道の短い女性に多く発症します。原因は経膣分娩での出産、年齢、肥満などで骨盤底筋という内臓を体の下から支える筋肉が弱くなることで起こります。したがって、骨盤底筋のトレーニングが有効です(骨盤底筋体操)。効果が現れるまでに時間はかかりますが、続けることが重要です。
膣や肛門を意識してゆっくり締め、5秒保ってからゆるめる動作をリラックスした姿勢で行います。1日に何度が行うことが重要で、要領を覚えたら日常生活の中で繰り返し行うようにします。薬物療法では括約筋の作用を強めるβ2刺激薬などを用います。これらの治療に反応しない場合には手術療法を検討します。